2004年5月12日水曜日

【今日の読書】疑惑の影/ジョン・ディクスン・カー/早川ミステリ文庫

 これもギデオン・フェル博士が登場するシリーズです。しかしフェル博士ってワトソン役――つまり探偵側に立った叙述者=視点人物がいない所為か、作品の中であんまり目立っていないくないでしょうか。
 特に本書の場合、視点人物である弁護士パトリック・バトラーが東奔西走、活躍著しいので、フェル博士はスッカリ脇役になっている印象を受けます。まあバトラーがいかにも鼻持ちならない人物に描かれているので、そっちの印象が強く残るのは仕方無いと思うのですが。
 それとハウダニットよりもフーダニットの色が濃いですね。やっぱりカーはハウダニットの人という印象が強烈なので、意外です。

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