2004年8月3日火曜日

【今日の読書】哲学マップ/貫成人/ちくま新書

 哲学の興りから、現代に至る哲学の流れを初心者にも分かりやす説明してくれる入門書です。平易なアナロジィを使って哲学の概念を説明している点に好感が持てます。中でもヘーゲルの弁証法の説明は、身近なアナロジィだったので非常に理解が進みました。

 何より、この本で評価したいのは最後に収められた読書案内でしょう。参考文献を羅列している書籍はたくさんありますが、一見して内容の分からない参考文献一覧を見て、更に調査しようという人は多くありません。しかしながら本書のように、筆者自ら読者の興味に合わせていろいろな入門書の内容を紹介してくれれば、更に勉強したい人には嬉しい限りでしょう。

 他方で残念な点もあります。本書では、幾つか図が提示されているのですが、それが本文ではあまり活用されておらず、読者が本文を読み勝手に解釈し内容と結び付けるしかありません。
 とは言っても、本書が哲学という学問を俯瞰するのに役立つ事は間違いありません。


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