2005年1月4日火曜日

【今日の読書】木曜の男/G.K.チェスタトン/創元推理文庫

 チェスタトンが書いた唯一の長編小説です。不思議な事に推理小説として紹介される事が多いこの作品ですが、それはひいき目に見ても嘘です。読めば分かる事ですが、ぜんぜん推理小説とは違う形式を持つ作品となっています。
 だた僕はこの形式の小説を何と呼べば良いのかは分かりません。強いて言うならばサスペンスかスリラ小説でしょうか。とても不思議で幻惑的な物語です。それでいて、読者に息も吐かせない、めくるめく展開でどんどん進行していきます。特に物語後半では圧倒的な「読ませる力」を感じます。
 それ程長くない小説ですし、上記のようなスピード感ある内容なので、すぐに読み終えてしまうのですが、読後感はなんとも言えずモヤモヤとしているのです。しかも、そんな読後感なのに決っして嫌な感覚は無いのです。不思議な小説としか言いようがありません。


bk1



0 件のコメント:

コメントを投稿