2008年4月4日金曜日

【今日の読書】未来のプロフィル

書名
未来のプロフィル
著者
アーサー・C・クラーク
訳者
福島 正実、川村 哲郎
出版
ハヤカワ文庫NF
価格
740円
ISBN
4-15-050045-2
bk1
http://www.bk1.jp/product/00168940

 本日読了。クラークによるエッセイです。クラークの慧眼たるや恐るべきものがありますね。このエッセイは1950年代の後半から60年代前半に書かれたものですが、筆者は軌道衛生による全世界を跨ぐ通信や携帯電話の一般化をかなり正確に予言しています。

 しかし他方で人類の知恵に対して楽観的な考えも持っていたように思えます。クラークは科学の進歩と伴ない人間はその科学を最大限に合理的に使って生活をしていく、と考えていたようですが、実際はそうではありませんね。

 例えば通信が発達した結果、人間の移動が少なくなるだろうと筆者は予測しています。実際、2008年の現時点でも先進国では高速なインターネット通信が一般に膾炙しています。数Mbps程度の通信速度が維持できるならば映像と画像を使ったTV電話が簡単に実現できます。人間の移動というのは高コストな事象なので合理的に判断すれば、徒歩圏内を超える場所にいる数人の人物とミーティングするならば電話会議システムを使った方が良い事は間違いありません。しかし頑迷固陋な人々は、対面にこだわり続けているように見えます。僕達は何時になったらクラーク博士の予言した未来に追い着くのでしょう。



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