2014年3月3日月曜日

Roadster

また英語の勉強がてらの翻訳です。BBCのニュースの翻訳が面白くなくなってきたので、英語版Wikipediaから興味のある項目を訳してみました。当然ですが素人の翻訳なので、正確な内容が知りたい場合は原文を参照して下さい。

原文はこちら
http://en.wikipedia.org/wiki/Roadster

●ロードスター

ロードスターとは、かつては世界中に膾炙しており、今でもまだアジア・アフリカ・デンマーク・オランダでは一般的な実用自転車の一種である。またここ数年で伝統的な様式のロードスター型自転車は、西欧に於いて生活様式やファッションの分野でかなりの人気を博している。

▽設計と亜種

ロードスターには三つの基本的な亜種がある。

・紳士用ロードスター

古典的な紳士用ロードスター(別名、英国式ロードスター)は、ラグを使って溶接された鉄製のダイアモンドフレーム、ロッドブレーキ、アップライトなノースロードハンドルバー、シングルギアないしスターメイアーチャー製の内装三速ハブギア、チェーンケース、鉄製の泥除け、コッタードの鉄クランク、28 x 1½ インチ (ISO 635、訳注、ETRTO 38-635)のホイール、ウェストウッド製のリム、そしてしばしばスターメイアーチャー製のハブダイナモを装備している。ロードスターはその設計や製造の過程では耐久性を第一に作られていて、軽量化については二の次であったので、車重は20-23kg以上であった。古典的なロードスターは警察や地域の郵便配達夫に使われた。興味深い事に、ロードスターから派生した淑女向けのモデルは、めったにロードスターと呼ばれる事は無かった。

ロードスターは、ヨーロッパで都市型自転車を意図して設計され現在でもドイツやデンマーク、とりわけオランダで使われている自転車にとても似ている。主な違いは、それらの大陸製自転車は、より上体が起きた姿勢にする為にハンドルの位置がより高い事と、ロッド式のドラムブレーキを装備している事である(訳注、古典的なロードスターが装備しているのはロッド式のリムブレーキ)。

・淑女向けモデルとオマフィーツ(the Omafiets)

淑女用に設計されたロードスターは1890年代という時節に適ったものだった。それは、女性がドレスやスカートで乗る為に紳士用のダイアモンドフレームよりは跨ぎ易い形のフレームで、通常はドレスやスカートが後輪に巻き込まれないようにするスカートガードが付いていた。紳士用ロードスターと同じように、フレームは鉄製で乗車姿勢が高くなるハンドルバーが装備されていた。初期には前輪はスプーンブレーキであったが、技術が向上した後にはより性能の良いコースターブレーキ或いはロッド式のリムブレーキやドラムブレーキが装着可能になった。

20世紀になり、淑女向けのロードスターがイングランドやその他の西欧諸国で時代遅れになったにも関わらず、それはオランダでの人気は一向に衰える気配がなかった。一部の人々が、淑女向けに設計されたロードスター型自転車の事を「オランダ式自転車」と呼ぶ所以である。オランダでは、これらの自転車はオマフィーツ(オランダ語でおばあちゃんの自転車の意)と呼ばれ、フリースラント地方ではウィドフィーツ(フリジア語で後家さんの自転車の意)と呼ばれている。古典的なオマフィーツは、伝統的な淑女用ロードスターの設計に従っており、シングルギア、28 x 1½ インチ (ISO 635、訳注、ETRTO 38-635)のホイールで、フレームと泥除けは黒く塗られ(後輪の泥除けには白い紋章が描かれる)、リアホイールにはスカートガードが付いている。近代的な亜種としては、さまざまな色に塗装されたアルミフレームの物や、ドラムブレーキや多段内装ハブギアの物がある。これらは全て見た目や寸法は古典的なオマフィーツに従っている。(オランダ式紳士用自転車は、オパフィーツ(オランダ語でおじいちゃんの自転車の意)或いはスタッドフィーツ(同じく都市型自転車の意)と呼ばれ、一般的はオマフィーツと同じ特徴を持つがフレームがダイアモンドフレームである所が異なっている。従ってオパフィーツは英国式の紳士用ロードスターと極めて似通っている)

・競技用ロードスター

競技用ロードスターという亜種もあり、別名軽量ロードスターとも呼ばれる。それらは典型的にはより軽いフレームでかなり急勾配で凡そ70から72度になるシートチューブ・ヘッドチューブになっている。ケーブルブレーキ、快適な「フラット」ノースロードハンドルバー、泥除け(ついていない場合もある)、3-5速の外装変速機を装備している。競技用或いは軽量ロードスターはエンドリック社のリムで組まれた26 x 1⅜ インチ (ISO 590、訳注、ETRTO 37-590)の伝統的な英国サイズのホイールであるが故に、より低いハンガー下りとそれに応じて低いスタンドオーバーハイトで、重量は約16-18kgになっている。これらの自転車はアメリカでは間違って英国式レーサーと呼ばれている。

多くの活動的なサイクリングクラブのメンバーに好んで利用されるにつれて、当時の高性能自転車はクラブスポーツやセミレーサーと呼ばれるようになった。典型的なクラブ型自転車とは、レイノルズ531のチューブで作られたフレームで、細見でバネのついていない革サドル、逆さに装着したノースロードハンドルバー(或いはドロップバー)、鉄製の「鼠取り型」ペダルにトウクリップ、5-15段の外装変速機、26 x 1¼ (ISO 597、訳注、ETRTO 32-597)や 27 x 1¼ (ISO 630、ETRTO 28-630)インチのアルミリムに軽量高圧のタイヤを装備したものである。別のクラブ型自転車には、もっと風変りなスターメイアーチャーハブ――ミディアムないしクロスレシオの3-4速の物、更に少数派にはACSの3速の固定内装ギアを装備している者さえ居た。多くのクラブ型自転車はシングルギアで、普通は固定ギアとフリーギアのダブルコグのホイールだった。外装変速機がこの形式の自転車に使われ始めたのは1940年代初頭である。主として集団高速走行を志向していたけれども、タイムトライアルやツーリングにもよく利用された。

▽歴史

20世紀の初旬から第二次世界大戦後まで、ロードスターは連合王国及びその衛星国で最も売れた大人の自転車だった(この文章の翻訳甚だ自信無し。原文はFrom the early 20th century until after World War II, the roadster constituted most adult bicycles sold in the United Kingdom and in many parts of the British Empire)。後の数年間での自動二輪や自動車の出来にも関わらず、ロードスターは成熟した大人の主たる移動手段として存在していた。イングランドに於ける主要な製造会社はラレー、BSAだが、カールトン、フィリップス、トライアンフ、ラッジ・ウィットワース、ヘラクレス、エルスウィック・ホッパーも製造していた。

アメリカでは、世界大戦後に競技用ロードスターは輸入され英国式レーサーとして知られた。それはすぐに、伝統的な若者のクルーザー自転車の代わりとして大人の自転車乗りに人気が出た。英国式レーサーはレース用自転車ではないのだが、車重が軽く、大径で細見のタイヤや内装ハブギアを装備していた為に速く、クルーザーよりも登坂性能が高かった。1950年代後期にアメリカの製造会社であるシュウィンは、彼ら自身の「軽量版」英国式レーサーの製造を開始した。

ブリテン島では1970年代初頭の間、実用ロードスターは著しく衰退していった。余暇でのサイクリングの流行に起因して、製造会社は軽量(10-13.5kg)で手頃な外装変速機を持った競技用自転車に注力し始めたのだ。改造されたレース用自転車の時代の到来だった。

1980年代に連合王国の自転車乗りは、車道のみを走る自転車からマウンテンバイクの様な全地形対応型自転車に移行し始めた。マウンテンバイクの持つ頑丈なフレームと積載能力は、それに実用自転車としての側面を生じさせ、それまでロードスターが占めていた地位を剥奪した。1990年までにロードスターは殆ど絶滅していた。この頃、連合王国の自転車の年間売上高は、過去最高の280万(訳注、単位は[台]か)にも達していたが、その殆どはマウンテンバイクか、ロードバイクのものだった。

・現代社会に於けるロードスター

世界の多くでロードスターは依然として日常の移動手段として標準的な自転車の地位を占めている。アジア(主としてインド、中国、台湾)で大量生産されたものが、遠くはアフリカやラテンアメリカといった発展途上国に輸出されている。中国の飛鳩(Flying Pigeon)社は、世界中で使われている最も有名な唯一の自転車だった。入手の容易さ、鉄フレームやフォークの耐久性、そして溶接によって修理可能な事がロードスターを発展途上国(特にその辺境地)に於いて普遍的で最も一般的な自転車にした。東アフリカの一部ではロードスターはブラックマンバと呼ばれている。また自転車タクシーとしても使われていて、運転手らはロードスターはボダ・ボダと呼んだ。

1950年以降、伝統的なロードスターはオランダやベルギー周辺の北欧諸国を除いて英語圏やその他の西欧諸国では消滅しかけていた。しかしながら今では、そのアップライトな乗車姿勢や荷物の搭載性能、単純で少ない整備で済む機構などが地方都市での移動手段としての理想的であるとされ復権し、多くの国々で以前の人気を取り戻しつつある。

連合王国では、複数の自転車製造会社(例えばパシュレー社)が最新の技術を使った古典的なロードスターを製造している。またオランダのロイヤルダッチガゼル社の様な大陸の製造会社からの輸入もしている。これらは学生――特にキャンブリッジやオックスフォード――に大学での移動手段として人気を集めている。またロンドンを含む他の英国の都市でも増加している。オーストラリア特にメルボルンでもまた、ロードスターの利用が盛んになっている。パピリオネイアといった地元の自転車会社の元では、沢山の1950、60年代の中古のロードスターが発見されリストア市場が広がっている。



一部、わからない部分の翻訳に協力してくれた友人のつかださんに感謝。

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