2017年4月29日土曜日

Reaper 14338 Haranobu Okuran Ronin Captain

引き続き Princes of the Apocalypse キャンペーン PC 用ミニチュア塗装です。これはからくりさんの PC であるシマズ用です。しっかしミニチュア名が「はらのぶ・おくらん浪人キャプテン」ですか。ちょっとしたパワーワードですね。

シマズはカラ・トゥア出身の侍で野太刀を振り回しているという設定なので、それっぽいミニチュアを探したら丁度良い造形のものがあったので驚きました。

良く見てみると顔の凹凸も東洋人っぽく浅くなっていたりします。

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日本の甲冑を装備したミニチュアを塗装するのは初めてなので資料として佐藤誠孝さんの「ビジュアルポーズ集 図説 戦国甲冑武者のいでたち」を買って参考にしました。しかし日本の甲冑って黒い部品が多いですね。黒は (僕の技術では) 立体感を出しつつ塗装するのが難しいので、鎧は朱塗りにしてみました。

2017年4月24日月曜日

Reaper 03074 Engel Crossbowman

引き続き Princes of the Apocalypse キャンペーン PC 用ミニチュア塗装です。これは六平さんの PC であるメルゲン用です。

クロスボウを持ったヒューマンのミニチュアというのがそれほど多くはなくて丁度良いものを探すのに少し苦労しました。クロスボウを持っているのってドワーフかドロウ (この場合はハンドクロスボウ) が多いのです。

古参兵っぽく渋い感じに塗りたかったので、緑や黄土色、茶色を主体にして塗り進めていったらあまりにも地味な感じになってしまったので、まずスカートを赤くしてみたのですそれでも足らず思い切ってタータンチェック柄にしてみましたが、これが意外に嵌って全体として塩梅に落ち着いたと思います。

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Back

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2017年4月21日金曜日

Anima Tactics Azriel

新しく始まった Princes of the Apocalypse キャンペーンのブレードシンガー PC 用のミニチュアとして塗装しました。ジャパニメーションの影響を強く受けたミニチュアシリーズ Anima Tactics の Azriel です。配色と相俟って北欧のパンクロッカーみたいになりました。他のプレイヤには「ワンピースにいそう」、「っていうかドン・フラミンゴっぽい」とか言われたりもしましたが……。

元は左手に持つ剣の柄付近がやたらと細く、持ち運ぶと早晩折れそうな造形だったので、塗装する前にその部分を切断して真鍮線 + エポキシ接着剤で修正しておきました。

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海外の超絶塗装者の作例を見ているとコートやマントに星空を描いている人がいるので、それを真似てみましたが成功したとは言い難いですね。敷居当ての部分には三日月を描いていますが、この PC が Corellon Larethian 信仰のハイエルフだからです (Corellon Larethian の聖印は三日月)。

修正前の柄付近

真鍮線仕込み

接着後

2017年4月15日土曜日

Princes of the Apocalypse 01 [58]

D&D5 版の新キャンペーン開始です。公式シナリオの Princes of the Apocalypse を遊びます。DM は画伯。

  • アンドリュー, Cleric 1, Half-Elf, CG (Bahamut), ほえほえさん
  • シマズ, Fighter 1 Half-Orc, LN (Red Knight), からくりさん
  • スパイア, Paladin 1, Tabaxi, LG (Qotal), つかださん
  • ツリートップ, Bard 1, Tabaxi, CG (Cat Lord), さるしんごさん
  • ミック, Monk1 , Tabaxi, CG (Sune), いっちゃん
  • メルゲン, Fighter 1, Human, TN (Tempus), 六平文吾さん
  • ユーウェイン, Wizard 1, High-Elf, CG (Corellon Larethian), 死せる詩人

軽くキャラクタ紹介。

アンドリュー
バハムートと信仰するハーフエルフのクレリック、なんだけど時々「くっ俺の右手が……」とか危ない独り言を言っている。かと思ったら 2 レベルになった時点でウォーロックになっていた。
シマズ
カラ・トゥアからやってきたハーフオークの兵児。訛のきつい共通語を話す。大将首を取るのが趣味で大刀を振り回している危ない人。
スパイア
猫その 1 にして「くっ俺の右手が……」の人その 2。コアトル信仰のパラディン。猫科特有の足の速さを活かして先陣を切る。2 レベルになってソーサラーに目覚めていた。
ツリートップ
猫その 2。ぽっちゃり体系の快楽主義者のバード。ミックから「ご主人様」と呼ばれているが関係は不明。壁に登って高い所から敵の悪口を言うのが好き。
ミック
猫その 3。猫が多すぎる……。サン・ソウル流派のモンク。小間使いとしての訓練をしていたらしく、ツテを頼ってレッドラーチ街にあるスウィンギング・ソード・インへ仕事を求めて旅をしている。
メルゲン
パーティ唯一のヒューマン。東方の平原の部族出身だが出身を隠している。ハンドクロスボウの早撃ちの名手。メキシカン・スタンドオフが得意。
ユーウェイン
自分の事を「上たるエルフ」と言って憚らないが全体的に品性が欠落した上に手癖が悪いコミュ障のウィザード。小心者で相手の数が多いとすぐ逃げようとする。

三々五々に隊商の護衛として雇われたキャラクタ達。護衛の隊長はゴーベルトという名のドワーフのビーストマスター・レンジャーで、ドワーフ至上主義者という奇人です。何せ野営の夕飯の際は、最初にドワーフに夕飯を配り、次に自分のペットの犬に配り、最後にドワーフ以外に配るというのを何の悪意もなくやってのけるほどです。しかし目敏いメルゲンは、彼が普段から使っている懐刀 (シミター) が逸品である事に気付きます。副隊長の「燃え髭」もドワーフですが、こちらは利に聡い合理的な人物。それ以外に荷運びの標準的人足として人間の下働き男が二人です。この隊商はウォータディープからレッドラーチ街への向います。

運んでいる物は秘密にされていますが、やたらと重い物である事は確実です。荷は小さいわりに大八車の後には深い轍がつきます。数日旅を続けているうちに、なんとなくそれぞれの人柄が分かってきました。ゴーベルトはレンジャーとしての実力は確かなものの人格に大きな問題あり。燃え髭はそんなゴーベルトより自分が隊長に相応わしいと思っている様子。人足の二人は荷の中身を知っているのかゴーベルトがいない時に燃え髭と「この荷はレッドラーチじゃなくて別の街に持っていった方が金になる」とか不穏な事を話しています。

一週間ほど経過したところ、街道の途中で人間とエルフと思しき死体が累々と道端に重なっているのを見付けます。ゴーベルトが調査した所、道から外れた丘側に何者かの足跡が続いているのを発見します。足跡は L サイズと S サイズの人間型。ここで副隊長の燃え髭が

  1. 山賊らしき輩を放置するのは、まだ続く旅の安全保障上好ましくない
  2. 足跡から判明した山賊の人数は我々より少ない
  3. 山賊を倒せばそいつらが貯めていたお宝が入手できる

という理由でゴーベルトを説得し、ゴーベルトを隊長として PC をその隊員とした山賊討伐分隊で足跡を追い山賊を討伐する事を決定します。燃え髭と人足はその間、大八車の護衛として残ります。燃え髭がゴーベルトを体良く亡き者にしようとしている感が半端ではありませんが、各々の PC は

  1. ゴーベルトも燃え髭も人足も全く信用出来ない
  2. 一方 PC の中には信用しても良さそうな人がいる (パラディンとかバハムートのクレリックとか)
  3. 山賊は山賊で放置できない

という消極的理由でこの案に反対せずに実行する事になりました。

数時間足跡を追跡すると、丘に横穴を開けて作られた霊廟の入口を発見しました。

入口の手前には、東屋で囲われた井戸がありそこには戸板 (!?) が乗っています。ゴーベルトがシマズに「ちょっとあれ調べてこい」とか言うので、慌ててユーウェインが「雄々しき偉大な種族であるドワーフはこういう時自ら先陣を買って出るものと聞いています」と唆すと気を良くした間抜ゴーベルトは「エルフの癖に良く分かっているではないか、ムハハ」とか言いながら無防備に近づき戸板を開け、るやいなや中から飛び出してきたスティージ 4 体。不意を打たれたゴーベルトは血を吸われてあっさり死んでしまいます。

ユーウェイン:「スパイン卿、華々しく先陣を切られ討死されたゴーベルト殿の無念を晴らす為にも彼の愛刀を使うのです」
スパイン: 「これはしかり! 隊長殿の仇は私が取ってくれよう」

なんとゴーベルトが使っていた懐刀はシミター +1 だったのです。不意打ちさえ凌げばスティージ程度どうという事はありません。隊長の尊い犠牲により部下の命が救われたのです。

さて気を取り直して霊廟の奥へ。入口の扉は半開きになっています。また入口から 100 フィート以上離れた林の中に見張り台のようなものを木の上に発見しました。見張り台は気になりますが遠目に見る限り人気はありません。まずは目の前の霊廟を調べる事にします。扉には開けると大きな物音を立てる警戒の罠が仕掛けられていましたが、構造的に音を立てずに罠を取り除く事ができません。仕方ないので警戒しつつ扉を開けると、案の定天井から、ガラガラと物が落ちて音を立てます。中の部屋を見てみると、そこには半透明の体を持つスペクターが 1 体つくねんと立っています。大人しくたちされ的な事を言ってきますが、山賊を見付けるために中に入ると襲ってきました。1 レベル PC にライフドレインはなかなか致命的ですがマジカルソードを入手していた事も功を奏し犠牲無く成仏させます。その戦いが終わるか終わらぬかの間に、外から襲ってきたのが武装した 1 匹のゴブリンとハーフオーガ 1 体。こいつらが足跡の正体でしょう。これも数の暴力で沈めました。

小休憩の後、霊廟の中を探索しますが奥の扉は錆びついていますし山賊はもう見付けたので無闇に墓荒しするのもキャラクタシートにあるアライメント欄を見るに憚られるので、馬車の所へ戻る事にします。が、しかし想定通りそこに馬車も燃え髭もいません。轍を見る限りもとの道を戻ったようなので、これを追跡しますが二日追跡して the Stone Bridge を渡った所で道の先に見えるドラウエルフの集団を発見。これと会敵する事は即ち我々の全滅を意味するので戦略的撤退とします。結局燃え髭は発見できずに終わりました。

隊長の死体を埋葬したり捉えた山賊を警察に引き渡したりする必要があるので、レッドラーチへと急ぎます。

街へ到着し、まずは事務処理 (隊長の遺体の埋葬、山賊の引渡し) を済ませます。そしてミックにコネがあるというスウィンギング・ソード・インへ。街の中央にあるその宿屋兼酒場の前では、風が吹くと左右に腰を振るビキニアーマーを来た女戦士の木像がありました。なんつう下品な宿……。

ミックが店の女主人に挨拶するも女主人はミックの事をさっぱり覚えていない模様。「そういえば昔そんな知り合いもいたかしら」とかいいながら「あんた達、ドがつく程のノービスの冒険者よね? それなら仕事しない?」と言ってきます。どうやらこの酒場は付近の冒険者が飯のタネを求めて集まるのを幸いと、依頼の情報を集めては提供するという機能を持っているようです。

日銭にも困っている一行は一も二も無く女主人の話に乗り、丁度良さそうな調査の依頼を受ける事にしました。曰く、この街から数マイルの距離にある森で異臭騒ぎがありどうもそれが風邪めいた軽い病気の原因になっている節があるので調べよ、との話。

翌日、森へ行ってみると確かに奇妙な雰囲気が漂っています。不思議な看板など脇目にみつつ森へ分け入ると、藪で隠された洞窟の入口を発見。異臭はその中からするので中へと進みます。

中はかなり広く、奥へ進むとゾンビ、ゾンビ、ゾンビ。こんなもの放置して良い事は何もないのでぶっちらばります。洞窟の中は高低差もあり、ゾンビはちょこざいにもそれを利用した罠を仕掛けたり、生意気な戦術を駆使してきますが、猫を三匹飼っているパーティにはそんなもの屁でもありません。シマズやメルゲンといったストライカーもゾンビと相性が良く快調に進みます。

最奥の部屋には分かり易く気の狂った死霊術師とスケルトン 4 体。ヴァンプリック・タッチの攻撃力に戦々恐々とはしましたがツリートップの悪口 (ヴィジャス・モッカリィ) とユーウェインのフロストバイトで常にディスアドバンテージを与えながら戦えたので必殺の一撃は喰らう事なく戦闘終了です。気違いの割に物持ちが良く、Drift Globe と Wand of Magic Missile を入手しました。

街に戻って大休憩してレベルアップした所で今回は終了です。

2017年4月13日木曜日

Incomplete Wizards Handbook 5e

ツイッタでぱらでぃんさんがこんな事をつぶやいていました。

ウィザードに限らず呪文選択というのは、プレイヤにとって悩みが発生する部分である事は確かでしょう。どういう呪文を選ぶべきかというのは、プレイヤの好み、パーティ構成、マスタの傾向、シナリオの状況等によって適切な解というものが変化するのも当然です。

またウィザードのどのビルドオプションを選択するかによっても選ぶべき呪文は異なります。

そういった諸条件は顧慮の外に置いて、ざっくりと以下の前提で呪文を選んでいきます。

  • パーティ構成は考慮しない
  • マスタの傾向も考慮しない
  • シナリオの状況も考慮しない
  • ウィザードのビルドプションは考慮しない
  • ウィザードは 1 レベルから開始し 20 レベルまで成長する
  • 呪文選択数は 1 レベル分とレベルアップで自動的に入手できる数だけとする
  • 呪文は原則プレイヤーズ・ハンドブックからのみ選択する

そんな条件で選んだのが以下のとおり。

1 レベル
[Cantrips] Fire Bolt、Dancing Light、Mage Hand、
[1st] Detect Magic、Mage Armor、Shield、Magic Missle、Grease、Sleep
2 レベル
[1st] Comprehend Languages、Find Familiar
3 レベル
[2nd] Gust of Wind、Web
4 レベル
[2nd] See Invisibility、Scorching Ray、
[Cantrip] Acid Splash
5 レベル
[3rd] Fireball、Leomund's Tiny Hut
6 レベル
[3rd] Counterspell、Fly
7 レベル
[4th] Dimension Door、Wall of Fire
8 レベル
[4th] Arcane Eye、Confusion
9 レベル
[5th] Contact other Plane、Wall of Force
10 レベル
[5th] Scrying、Teleportation Circle、
[Cantrip] Message
11 レベル
[6th] Chain Lightning、Disintegrage
12 レベル
[6th] True Seeing、Otto's Irresistible Dance
13 レベル
[7th] Forcecage、Teleport
14 レベル
[7th] Plane Shift、Simulacrum
15 レベル
[8th] Antimagic Field、Maze
16 レベル
[8th] Control Weather、Sunburst
17 レベル
[9th] Meteor Swarm、Time Stop
18 レベル
[9th] Wish、Prismatic Wall
19 レベル
[9th] Shapechange、Foresight
20 レベル
[9th] Wish、Power Word Kill

18 レベル以降は殆ど洒落ですね。どんなにレベルが上がっても 9 レベル呪文なんて日に 1 回しか使えないんだし。やはりレベルアップで得られるだけの呪文では特に低レベルの呪文が不足がちです。例えば上記呪文には Feather Fall、Identify、Unseen Servant、Misty Step、Invisibility、Dispel Magic、Haste なんかが入っていません。

ウィザードの呪文選択の際に僕が心がけているのは

  • 呪文でしか実現不可能・困難な事を実現する呪文を第一に選択する (例、Teleport/Dimension Door、Plane Shift、Counterspell、Fly、各種 Wall 系呪文)
  • 呪文で実行するとそうでない時と比べて高効率な呪文を積極的に選択する (例、Fireball、Leomund's Tiny Hut)
  • 情報収集呪文を積極的に選択する (例、Detect Magic、Comprehend Languages、See Invisiblity、Contact other Plane、Scrying、True Seeing)
  • アクション・エコノミィ
  • 儀式呪文の活用
  • 自己防御呪文は最小限

という点です。

「アクション・エコノミィ」というのが馴染の無い言葉かもしれません。正確な出現時期は不明ですが、4 版の頃には海外の D&D フォーラムで見掛けるようになった言葉です。要するに 5 版で言えば、アクション、ボーナス・アクション、リアクションをそれぞれを効率良く使うという事です。仮に全ての戦闘ラウンドでこれら 3 種類の行動を意識的・積極的に行なえたとしたらかなり効率の良い行動をしている事になるでしょう。アクション・エコノミィの面で気を付けなければいけないのがボーナス・アクションで呪文を使ったターン (ラウンドではない) は、キャントリップ以外の呪文は使えないという制限です。念のためプレイヤーズ・ハンドブックの原文を引用すると「You can't cast another spell during the same turn, except for a cantrip with a casting time of 1 action」です。

スペルキャスターの場合、アクション・エコノミィを高効率にし過ぎると、あっという間に呪文スロットが尽きるという事も留意しなければいけません。

呪文スロット利用の効率化という意味では、儀式呪文の活用が重要です。儀式呪文はパーティ全体に利する物が多いので積極的に使います。

パーティで行動する以上、ウィザードが使う呪文はパーティ全体に資する物である方がより好ましい事は議論を俟ちません。自己防御呪文はこの点、パーティ全体に益さないので必要最低限にするようにしています (ウィザードが常にパーティ全体の利益を考えて行動するならば、ウィザード自身の生存がパーティ全体に資すると考えられはしますが)。僕は基本的にウィザードの自己防衛は立ち位置でもって図るようにしています。

紹介した通りに呪文選択をしたウィザードを遊んでみると分かりますが、ダメージ呪文の属性が火に寄っているので火が効かない相手だと戦闘中に使えるダメージ呪文が極端に減ります。可能であれば Elemental Adept [fire] の特技を取得しておくと良いでしょう。

暗黙の内に、このウィザードがプレイヤ・キャラクタであるとしていましたが、もしNPCやモンスタ側であれば内容は全然変わります。儀式呪文は殆んど取らず、確実に自己保全呪文が増えます。

2017年4月7日金曜日

Greyhawk Walkers Guide 14

前回に続き、今回も組織の紹介です。Sheldomar Valley に於ける謎めいた魔術師の集団である the Silent Ones です。

The Silent Ones は Sheldomar Valley に根拠地を持つ、神秘的な集団です。彼らは失なわれた魔法の伝承を探し、それらを悪用しようとする者の手から永遠に封ずる事を目的としています。the Lonely Tower と呼ばれる場所に彼等の蔵書がまとめられています。彼らが秘する数知れずの秘密の中には、Twin-Cataclysms 以前の歴史や、the Great Migrations に関するもの、或いは黎明期から脈々と続く魔法理論の進化などがあります。

この集団は二つの明確な部門に分ける事ができます。隠遁的で求道的な「Anchorites of the Tower」と彷徨する信奉者である「Wanderers」です。前者は多くの時間を学究に費しています。また彼らは時折賢者を探しては、自身らの義務を逸脱しない範囲で情報交換を行ないます。中には貴族や宮廷に助言者や預言者として仕えている者もいますが、彼らの究極の忠誠の対象は the Silent Ones です。一方 Wanderers は古代の魔法や神秘を保護するために活発に探求の旅に出ています。しばしばその旅の為に冒険者として活動することもあります。

The Silent Ones は目的を完遂する為に謀略や手練手管を利用します。その際に動きは迅速で、時に冷酷でさえあります。彼らは善でも悪でもありませんし、彼らは自身の役割はそういった瑣末な道徳律よりも上に位置すると考えています。彼らは守るべき興味の対象の為であれば相手が例え善であれ悪であれ、それを対手とみなしますし、必要と考えられる何如なる手段でも取るでしょう。

この集団の大半は、魔法の理を自らのものとしようと研鑽するソーサラーです。the Anchorites の中にはいくらかのウィザードも存在します。彼らは学問と研究に打ち込む傾向があり、自身を完璧な文書保管人と考えています。バードは Wanderers に良く見られます。

The Silent Ones は通常くすんだ灰色や茶色の司祭服に身を包んでいます。武器や鎧を帯びることは避け、スタッフやダガーのような単純な装具に抑えています。the Tower of Silence の外では、稀に危険な呪文を準備したり、破壊的な魔法の品を持つ事もありますが、理を持たぬ者の手にそういった危険な秘密が渡らぬ為にも極力避けようとします。事実、彼らは真の意味で「自分自身の」魔法の品など何もないと考えています。単にそれらの危険な品は、破壊されるか塔に所蔵されるまでの間信頼出来る者である自分の手に仮託されているだけだと思っているのです。アーティファクトやそれに類する強力な魔法の品を持つとき、彼らは非常に慎重にそれを守ります。

根拠地である the Lonely Tower (又の名を the Silent Tower) は Keoland の首都 Niole Dra から南に馬で 1 日ほどの距離にあります。周囲の草原を睥睨するこの塔は高さが数百フィートもあり、その素材である青みがかった灰色の石材は見慣れないものです。The Silent Ones は Keoland 国内にあるものの、実際の所獅子の玉座 (Keoland 王家の事) の直接的支配を受けているわけではありません。一方でこの組織の最大の支援者は Keoland 王国でも大きな権勢を誇る Neheli 家であり、組織の重鎮もこの家から多数排出されています。

【今日の読書】源氏物語 第三巻 現代語訳 [2017-09-27 15:27]

書名
源氏物語 第三巻 現代語訳
訳者
大塚 ひかり
出版
ちくま文庫

2017年4月4日火曜日

状態異常チットの処遇

D&D4 版以降、戦闘中にキャラクタ・モンスタの状態異常を管理する方法として様々なチットを使う方法が膾炙してきました。

チットは各々工夫したものを使っていると思いますが、大きく分けると 2 種類あります。1 つはミニチュアなりの駒の上に乗せるか引っ掛けるかするもの、もう 1 つは駒の下に敷くものです。前者はミニチュア・駒とチットを同時に動かすのはそれほど面倒ではありませんが、後者は意識せずに駒を持ち上げると状態異常チットはその場に残される事になり、同時に移動させようとするとやや面倒です。

僕自身もこの些細な問題にここ 5 年来悩まされて来たのですが、最近良い方法を発見し実用性を確認しました。

チットは気軽に取り外し可能で、かつ必要な時だけ駒に接着していてほしいわけです。糊や両面テープでは気軽に取り外し出きません。この微妙な条件を見たしてくれる物質が「練り消し」です。美術の素描などで使うアレですね。僕はミニチュア塗装の補助品として利用していています。

利用法は説明するまでもありませんが、適度な小ささに千切った練り消しをチットと駒の間に挟んで、強く圧迫するだけです。

2017年4月3日月曜日

Greyhawk Walkers Guide 13

久しぶりの Greyhawk Walkers Guide です。しばらく国家を紹介していましたが、今回は組織です。Sheldomar Valley に於ける超国家騎士団である「the Knights of the Watch」です。

the Knight of the Watch の歴史は Sheldomar Valley 最古の王国である Keoland の歴史と密接に結びついています。CY 前 340 年ごろに Keoland が建国され、それから 100 年後、Keoland は国土の拡大を続けていました。そうした最中 Rushmoor の北東の地を治めるために、王国は「the Knights of the March」と呼ばれる一つの騎士団を組織しました。この騎士団の目的は二つ。一つは支配する土地の安全保障、もう一つはより速やかな辺境の拡大です。一連の武力征服の中で騎士団は預言者であり哲学者であった Azmarender から教えを請い、そして騎士団に対して新しい名前を授かりました。その名が「the Knight of the Watch」です。

ついに Keoland は Rushmoor 北東の地を制圧し、この地を Gran March と名付けます。戦功のあった Dorlin 公爵は王国より「北面の騎士」として Gran March を封土として獲得します。

the Knights of the Watch の主要な任務は Sheldomar Valley を西方のバクラニ人から守る事、そして新たな脅威が惹起した時に即応する事です。騎士団は Keoland、Gran March、Bissel、そして Geoff といった Sheldomar Valley 全域から力ある人員を集めています。騎士団員は「The Watchers」とも呼ばれ、Ket との国境付近や Barrier Peaks、Crystalmists、Jotens といった山岳地帯との要所に城塞や塔を築いて防衛に当っています。

騎士団の統合本部は Bissel の Pellak にありますが、他にも大きな砦が Gran March の Hookhill、Geoff の Hochoch などにもあります。また噂では、近々統合本部を Hochoch に移すのではないかと囁かれています。

the Knights of the Watch は精神的指導者である Azmarender の記した哲学を基礎とする禁欲的な教えを奉じています。Azmarender は Sheldomar Valley で広く知られている純潔の騎士 Trilesimain の説話を研究していました。この説話の特に「燦然たる二行連句」から教訓を抽出し、今日では一般に「十二と七の訓戒」と呼ばれるものを作り上げました。

多くの Sheldomar Valley の住民が勘違いしている事ですが「十二の訓戒」については秘密にされている事ではなく、騎士団に興味があるのであれば誰にでも学ぶ事が可能です。一方で「七の訓戒」については騎士団の機密とされていて、The Watchers の中で位階を上げていく事で少しずつ教えられていきます。特に神秘的な「第七の訓」については、騎士道を極めたたった一人の the Grandiose Imperial Wyvern の位を持つ騎士だけが知っています。現在 the Grandiose Imperial Wyvern の位にあるのは Geoff 出身の Hugo (Ftr16) です。騎士団の教えは特定の宗教に根差したものではありませんが、St.Cuthbert (知恵、常識の神)、Pholtus (光、秩序の神)、Allitur (倫理、礼儀の神)、Mayaheine (守り、正義の神)、そして特に Heironeous (騎士道、名誉の神) の信者には受け入れ易い内容です。そして騎士団側も Heironious 教会は強力な同盟相手であると考えています。

2017年4月1日土曜日

G3 Hall of the Fire Giant King 5 / GDQ 23 [57]

GDQ キャンペーンの 23 回目です。DM は死せる詩人。参加者は以下の通りです。

  • アルベルジュ, Paladin (Oath of Vengence) 14, Human, CG (Trithereon), そばさん
  • ヴァルト, Cleric (Tempest Domain) 14, Human, CG (Procan), 六平文吾さん
  • ギャンガ, Wizard (Abjurar) 14, Human, TN (Boccob), つかださん
  • ジルダッド, Fighter (Eldritch Knight) 14, Half-Orc, NG (Celestian), 羽生さん
  • トム, Fighter (Champion) 14, Human, TN, 満月
  • ナヴァラン, Rogue (Arcane Trickster) 9/Ranger (Hunter) 5, Wood Elf, CG (Myhriss), いっちゃん

途中珈琲休憩を 1 時間挟みつつ 12 時開始、19 時 30 分終了。

CY576, Harvester, 20th

前回はダンジョンの地下で拷問吏と戦って、ゲスト参加のアルテアが鉄の処女に押し込められたりした所で終わっています。状態をセーブした所から再開ですが、アルテアがいなくなりアルベルジュが帰還しました。

変わらず地下一階を探索します。地下牢が多数ありその中の慎重に確認しながら解放すべき相手は解放していきます。その中にファイア・ジャイアントに囚われたタイタン (CR23) がいてびっくり。彼の手を借りて解放した囚人を安全な所まで送り届けてもらう事に成功します。

途中で出会ったノールが雑魚かと思ったら一人だけ異様に強かったり (CR9) しますが特段苦労する事もなく進みます。ある所で客将らしきクラウドジャイアントの夫婦と戦いになりますが、すぐ隣の部屋にいた亡命してきたフロストジャイアントの一段も恨み骨髄とばかりに戦闘に加わり大乱戦。毎回こんな感じだね。

このあたりで資源が付きてヘルム・オブ・テレポーテーションでゴルナヘ戻ります。ほんとこのマジック・アイテムがなかったらどうしていたんでしょうか。

ゴルナへ戻ると、最近ジョフ貴族として Llwyr (どう発音するのか不明、だいたい男爵相当) の爵位を叙爵したジルダッドのもとに仕官希望の山出し冒険者が何人かが長々と名乗りを上げたり剣技を披露したりしてきます。いまだ領地のないジルダットは仕官の話しは脇へ置いて、それぞれに幾許かの金子を与え更に手頃な仕事を斡旋してやりました。アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、エコーの 5 人はいたく感謝していました。

アルベルジュは私財が充分に貯まったと判断しとうとう修道院建立計画の為に動き初めます。まずは恩師ヴァイナモイネンにセンディングで協力を仰ぎました。返答は「今ちょっと遠くにいるからテレポで迎えにきて」。

CY576, Harvester, 21th

翌日ヘルム・オブ・テレポーテーションで再度砦攻略。地下でトロール 18 体との遭遇戦を行なった所で時間切れ。